頚椎椎間板ヘルニアの症状や治療、予防について

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最終更新日

2024.10.30

頚椎椎間板ヘルニア

【頚椎椎間板ヘルニアについて】

骨と骨の間のクッションである椎間板が突出している状態のことを椎間板ヘルニアと呼びます。外傷がきっかけの場合もありますが、原因が特定できないこともあります。突出した椎間板により神経(脊髄や神経根)が圧迫され、その神経の支配領域に痛みなどの症状が出ます。

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「日本整形外科学会 症状・病気を調べる」より引用

https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0032CKA.pdf

【頚椎症性神経根症との違い】

頚椎症性神経根症と症状・病態は似ています。椎間板ヘルニアは「椎間板が本来の位置からはみ出た状態」という意味であり、「何かのきっかけで椎間板が突出し脊髄や神経根を圧迫する」のに対して、頚椎症性神経根症は「加齢や姿勢不良などの積み重ねにより、椎間板だけでなく骨棘(骨の出っ張り)や肥厚した靭帯などの様々な要素により神経根が1か所または複数か所で徐々に圧迫される」状態であり、意味合いに違いがありますが、疾患の境界は曖昧で明確に区別できないことも多くあります。

【頚椎椎間板ヘルニアの症状】

安静時、または首の運動に伴い、首、肩、背中、肩甲骨周囲、胸、腕、手、指などにしびれ、痛み、だるさ、脱力、などの神経症状が生じます。症状は左右どちらか片側の場合が多いですが、両側に生じることもあります。

肩や腕の動きよりも、首の姿勢や角度により症状が誘発される場合に疑われます。

【頚椎椎間板ヘルニアの診断】

問診、身体所見

症状の出る姿勢、部位など

レントゲン

頚椎の骨棘(骨の出っ張り)やアライメント(角度)不良など、頚椎全体に変形がないかを確認します。

MRI

椎間板や神経を描出するため、最も正確な診断が可能な検査です。

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「日本整形外科学会 症状・病気を調べる」より引用

https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0032CKA.pdf

【頚椎椎間板ヘルニアと区別が必要な疾患】

頚椎症性神経根症

肩関節周囲炎(五十肩)

・変形性肩関節症

・腱板断裂(肩)

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

・肘部管症候群

・手根管症候群

など、肩、腕、手の痛みやしびれを生じる疾患とは慎重に区別が必要です。

【頚椎椎間板ヘルニアの治療】

内服薬

しびれや痛みを抑えます。症状を一時的に緩和するだけでなく、神経周囲の炎症を抑えたり、過敏になった神経や痛みの伝導路を抑えることにより根本的な治療となることも多くあります。内服薬の種類は豊富にあるため、症状や体質にあったものを探していきます。

姿勢の改善

姿勢不良が原因で神経根の圧迫が生じていることもあるため、姿勢の改善は重要です。当院では、リハビリテーション(理学療法)にて適切な姿勢や、姿勢改善のための運動、体操などをきっちり指導しています。姿勢の改善や適切な体操をすることで、症状の改善や加齢に伴う悪化を抑えられる見込みがあります。

寝具の改善

枕やマットレスなどの寝具が不適切な場合はそれらを変えることで症状が改善することもあります。

物理療法

頚椎の牽引や疼痛部位への低周波、干渉波などの物理療法により、症状を緩和できる場合があります。

神経根ブロック

当院では行なっておりませんが、神経根周囲に直接痛み止めを注射することで症状を改善できる場合があります。

手術

上記のような手段で症状が改善しない、痛みが強すぎる、腕や手の筋力低下(運動麻痺)が生じる、などの場合で、画像的にも神経の圧迫部位が明らかな場合は手術療法が必要となる場合もあります。必要と判断した場合には適切な医療機関へご紹介させていただきます。

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