最終更新日
2024.10.31
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
【上腕骨外側上顆炎(テニス肘)について】
ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。
日本整形外科学会「症状・病気を調べる」から画像引用
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html
前腕伸筋群(主に短橈側手根伸筋)の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。 この短橈側手根伸筋は手首(手関節)を伸ばす(そらす)働きをしている筋肉なので、その動作で肘外側の痛みが出ることが多いです。テニス愛好家に多く生じたため名付けられたようですが、実際にはテニスをしていない方でもよく起こる疾患です。
症状が長引き難治性となることも多くあります。
【上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の原因】
明確には分かっていませんが、加齢による筋・腱の変性、柔軟性低下、手や腕の使いすぎなどが組み合わさって起こると考えられています。
【区別すべき疾患】
・頚椎症性神経根症(首が原因の神経痛)
・変形性肘関節症(加齢による肘関節の摩耗、変形)
など
【上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療】
炎症を抑えつつ、腱の修復を促し、柔軟性を改善して症状が出にくい状態にすることが治療の目標となります。
・安静、使いすぎない
・テニス肘用サポーター装着
・前腕(肘や手首)のストレッチ体操(リハビリテーション)
・内服薬、湿布(炎症、痛みを抑える)
・物理療法(超音波、低周波など)
・注射(当院では、エコーを見ながら正確な部位に注射します)
ステロイド(炎症を抑える)
プロロセラピー(ブドウ糖液で一時的に炎症を起こし、その後組織の修復を促進する)
・体外衝撃波(自費診療、当院では採用なし)
・手術療法(必要時は適切な医療機関へご紹介します)
難治性となりやすい疾患ですが、これらの治療法を組み合わせてしっかり治療することで、早期に改善することが期待できます。