最終更新日
2024.10.05
肩関節周囲炎(五十肩)
肩関節周囲炎(五十肩)について
・江戸時代において、「50歳頃に腕や関節などが痛むことがある。」ということで「五十肩」と名付けられたという説があります。実際には40歳以降ぐらいであれば何歳でも起こりうる疾患です。
・関節を構成する骨、軟骨、靱帯、腱などが老化して肩関節周囲の組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくするための袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります。
・数か月〜数年で強い痛み(炎症期)は自然に治りますが、適切に治療しなければ多くの場合で不可逆的な(自然には改善しない)可動域制限が残ってしまいます。(肩関節拘縮、凍結肩)。そのことから英語の診断名は「Frozen shoulder」と呼ばれます。
・腱板断裂、変形性肩関節症、石灰性腱炎など、その他の疾患と区別するためにレントゲンやMRIなどの画像検査が必要です。
「日本整形外科学会 症状・病気を調べる」より画像引用
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html
肩関節周囲炎(五十肩)の治療
内服薬や湿布(消炎鎮痛剤)
・炎症、痛みを抑えます。
注射(ステロイド、ヒアルロン酸)
・炎症、痛みを抑えます。
・癒着を剥がして動きを良くします。
・有効な部位は症状により様々です。当院ではエコー画像を見ながら正確な部位に注射します。(部位:肩関節内、肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱鞘内、肩甲上神経、腋窩神経など)
運動療法(理学療法、リハビリテーション)
・可動域制限を予防、改善
・筋力を維持、回復
・運動療法なしで上手く治癒させることは難しい場合が多いです。
これらを組み合わせてしっかり治療することで、症状の緩和と最終的な可動域制限残存(拘縮、凍結)を防げる可能性が高くなります。