最終更新日
2026.10.17
寒くなると肩こりが悪化する?肩こりの原因と予防・治療について
秋から冬にかけて気温が下がってくると、「肩がこる」「首から肩にかけて重だるい」「肩こりがひどくなって頭痛まで出てきた」といった症状を訴える方が増えてきます。
肩こりは非常に身近な症状ですが、その原因はさまざまで、単なる筋肉の疲労だけでは説明できない場合もあります。
今回は、肩こりが起こる仕組みや寒い季節に悪化しやすい理由、予防方法、整形外科での治療について解説します。
① 肩こりとは?
肩こりとは、首の後ろから肩、肩甲骨周囲にかけて生じる筋肉の緊張感、重だるさ、鈍い痛みなどの症状を指します。
厚生労働省の2016年の国民生活基礎調査では、肩こりは自覚症状として女性で第1位、男性でも腰痛に次いで第2位となっており、非常に多くの方が悩まされている症状です。
人間の頭部は体重の約10%もの重さがあり、首や肩の筋肉は、その重い頭を常に支えています。また、腕や肩甲骨も筋肉によって支えられているため、首から肩にかけての筋肉には日常的に負担がかかっています。
こうした筋肉への負担の積み重ねが、肩こりの原因の一つとなります。
② なぜ寒くなると肩こりが悪化するの?
寒い季節に肩こりが悪化する背景には、いくつかの要因が考えられます。
● 寒さによる筋肉の緊張
寒い環境では、無意識に肩をすくめるような姿勢になり、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。また、寒さによる血流の変化も症状に影響する可能性があります。
● 運動不足
寒くなると外出する機会が減り、身体を動かす時間も短くなりがちです。運動不足によって筋肉を動かす機会が減ることも、肩こりを悪化させる要因となります。
● 長時間の同じ姿勢
冬場は室内で過ごす時間が増え、スマートフォンやパソコンを長時間使用する方も多くなります。特に、頭を前に突き出した姿勢や背中を丸めた姿勢では、首の後ろの筋肉への負担が増加します。
このように、寒さそのものだけでなく、冬場の生活習慣の変化も肩こりに関係していると考えられます。
③ 肩こりの原因は筋肉だけではない!
肩こりというと、筋肉が硬くなっているだけだと思われがちですが、実際にはさまざまな原因があります。
● 筋肉・筋膜の問題
長時間のデスクワーク、不良姿勢、筋肉の過労、精神的ストレスなどによって、首や肩の筋肉に過剰な負担がかかります。
● 頚椎(首の骨)の問題
姿勢不良に伴いストレートネック(頚椎の本来の適切な反りが減少した状態)になると肩こりや首の痛みは生じやすくなります。
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどによって肩こりが生じることがあります。初期には肩こりだけが現れ、その後に腕の痛みやしびれが出現する場合もあります。
● 肩関節の問題
五十肩(肩関節周囲炎)や腱板断裂などによって肩の動きが悪くなると、肩甲骨周囲の筋肉に負担が集中し、肩こりにつながることがあります。
このように、肩こりは一つの病名ではなく、さまざまな原因によって生じる症状であり、原因を正しく評価することが重要です。
④ 肩こりを予防・改善するためには?
肩こりの予防や改善には、日常生活での工夫が大切です。
1.同じ姿勢を長時間続けない
デスクワークなどでは、30〜60分程度を目安に姿勢を変えたり、肩や肩甲骨を動かしたりしましょう。
2.首や肩を冷やさない
寒い季節には、衣服やマフラーなどで首や肩を保温しましょう。(ただし締め付けすぎや重すぎは肩こりを悪化させることもあるので注意)
入浴などで身体を温めることも、一時的な症状の緩和に役立ちます。
3.適度な運動を習慣にする
ストレッチだけでなく、適度な筋力トレーニングやウォーキングなども肩こりの改善に役立ちます。
4.姿勢を見直す
背中が丸くなると、首の後ろの筋肉への負担が増加します。ただし、常に背筋を伸ばして同じ姿勢を保つ必要はありません。
「良い姿勢を固定すること」よりも、「同じ姿勢を長時間続けないこと」が大切です。
⑤ 整形外科ではどのような治療をするの?
肩こりの治療では、まず原因を調べることが重要です。
当院では、問診や身体診察を行い、レントゲン検査や必要に応じてMRI検査などを実施します。
そのうえで、患者さんの症状や原因に応じた治療を行います。
● 運動器リハビリテーション
こちらが最重要かつ最も効果的な治療法となる場合が多いです。
理学療法士が首や肩甲骨周囲の筋肉の状態、関節の動き、姿勢などを評価し、筋肉の柔軟性改善や筋力強化、姿勢・動作の改善を目指します。
● ハイドロリリース注射
当院では、必要に応じてハイドロリリース注射も行っています。
ハイドロリリースとは、エコー(超音波画像検査)で筋肉や筋膜などを確認しながら、生理食塩水や局所麻酔薬などの液体を注入する治療です。
筋膜や筋肉の間に液体を注入することで、組織間の動きを改善し、痛みの軽減を目指します。
ただし、すべての方に効果があるわけではなく、効果には個人差があります。
当院では、必要に応じて運動器リハビリテーションを組み合わせることで、症状の改善と再発予防を目指しています。
⑥ こんな肩こりには注意!
肩こりの多くは筋肉や関節などの問題によるものですが、中には注意が必要な病気が隠れている場合もあります。
特に、以下のような症状がある場合には、医療機関への相談をおすすめします。
- 腕や手にしびれ・筋力低下がある
- 手先が不器用になった、歩きにくくなった
- 痛みが徐々に強くなっている
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 発熱などを伴う
また、突然の首や肩の痛みに胸痛や息苦しさ、冷や汗などを伴う場合は、心血管や呼吸器、その他の内科的な疾患の可能性もあるため速やかな救急受診が必要です。
⑦ まとめ
肩こりは非常に身近な症状ですが、その原因は筋肉の疲労、姿勢、頚椎や肩関節の病気、精神的ストレスなど多岐にわたります。
特に寒い季節は、筋肉の緊張や運動不足などが重なり、肩こりが悪化しやすくなります。
日頃から適度な運動を心がけ、首や肩を冷やさず、同じ姿勢を長時間続けないようにしましょう。
なかむら整形外科では、肩こりの原因を適切に評価し、運動器リハビリテーションやハイドロリリースなど、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。
肩こりでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

