最終更新日
2025.11.16
子どもの適切な靴選び
子どもの適切な靴選び:未来の健康な足を守るために
なぜ「靴選び」がそんなに大切なの?
お子さまの足は、骨や関節が柔らかく、大人の足とは構造が異なります。この成長段階に合わない靴を履いていると、足の変形や運動能力の低下、さらには全身の姿勢の歪みにつながる可能性があります。
「たかが靴」と思われがちですが、足は家でいうところの「土台」です。この土台が不安定だと、家全体(体全体)に悪影響が出ます。特に整形外科の立場から見ると、幼少期の間違った靴選びが、将来的な外反母趾や扁平足、膝の痛みの原因となるケースが多く報告されています。
最近の研究でも、不適切なサイズの靴を長期間使用することで、子どもの足部の形態が変化し、運動機能に影響を与える可能性が指摘されています。
適切な靴選びの3つのチェックポイント
お子さまの靴を選ぶ際は、この3つのポイントを必ずチェックしましょう。
1. サイズ:「捨て寸」を含めた適切な長さ
靴のサイズは、つま先からかかとまでの「足長」だけでは不十分です。
• 足長(サイズ): お子さまの足の長さ+5〜10mmの余裕(捨て寸)**が必要です。
• この捨て寸は、歩行時に足が前に滑るスペースや、足の成長を見越した余裕です。きつすぎると指が変形し、大きすぎると靴の中で足が遊んでしまい、かえって危険です。
• 足幅(ウィズ): 足の親指の付け根と小指の付け根を結んだ部分の幅が、靴の幅と合っているかを確認します。
• 足幅が合っていないと、靴の中で足が横に広がりすぎたり、逆に圧迫されたりして、開張足や外反母趾の原因となります。
チェック方法:
靴を履かせた状態で、つま先に大人の指一本分の隙間(5〜10mm)があるかを確認してください。また、中敷き(インソール)を取り出し、その上にお子さまの足を乗せてみるのが、最も確実なチェック方法です。
2. 機能:足を守る「3つの剛性」
良い子どもの靴には、足の動きをサポートし、保護するための適切な「硬さ(剛性)」が必要です。
① かかと周りの剛性(ヒールカウンター)
かかと周りは、しっかりとした硬い芯(ヒールカウンター)が入っていることが必須です。
• 役割: 足の骨格をまっすぐに保ち、歩行時のかかとのブレ(不安定な動き)を防ぎます。特に成長期のお子さまの足は不安定なため、この硬さが重要です。
• チェック: 靴のかかと部分を、大人が両側から強く押してみてください。簡単につぶれるようであれば、かかとを支える力が不十分です。
② 靴底(アウトソール)の剛性
靴底は、適度な屈曲性(曲がりやすさ)が必要です。
• 役割: 人の足は、蹴り出しの際、指の付け根の部分で曲がります。靴底も同じ場所で自然に曲がる必要があります。
• チェック: 靴底を曲げてみて、指の付け根(前方1/3の場所)で曲がるか確認してください。土踏まずや、かかとの方まで柔らかく曲がってしまう靴は、足の安定性を損ないます。
③ 甲周りの固定
面ファスナー(マジックテープ)や靴ひもで、足の甲をしっかり固定できることが重要です。マジックテープの場合できれば、折り返しがあり、かつダブルマジックテープのほうがより好ましいです。
• 役割: 靴と足の一体感を高め、靴の中で足が前後に滑るのを防ぎます。これにより、つま先に不要な力がかからず足指をしっかり使えるようになります。
• 注意: スリッポンやつっかけのように、甲を固定できない靴は足指で靴を脱げないように掴もうとするため、足指の変形につながるリスクが高まります。
3. 素材:天然素材と通気性
足は大人以上に汗をかきます。
• 通気性: ムレによる皮膚トラブル(水虫など)を防ぐため、アッパー(甲の部分)は通気性の良い素材を選びましょう。
• 中敷き(インソール): 汗を吸いやすい素材であることも重要です。取り外して洗えるものが衛生的でおすすめです。
見た目が可愛いけど固定性や剛性のない靴(例えばムートンブーツなど)やサンダルなどは、たまに履く分は良いですが、子供の足には良くないことを理解し、日常的には上記のような足に良い靴を履かせてあげるのがお勧めです。
失敗しないための買い方のコツ
1. 買うタイミング
足がむくんで大きくなっている夕方に購入するのがベストです。
2. 試着の方法
必ず両足で履き、店内を数分間歩かせて確認しましょう。歩き方に不自然さがないか、保護者の方もチェックしてください。
3. 買い替えの目安
お子さまの足は非常に早く成長します。
• 1ヶ月に1mm成長すると言われています。
• 特に1〜3歳は3ヶ月ごと、4歳以降は半年に一度はサイズチェックを行い、きつくなっていなくても、捨て寸がなくなった時点で新しい靴に買い替えることが理想です。
履き方の注意点
・紐やマジックテープをしっかり緩めてから履き、つま先ではなく、「踵をトントン」して踵を靴後方のヒールカウンターに合わせた状態で紐やマジックテープを締めます。紐やマジックテープを緩めたまま履いて、つま先トントン、という履き方は良い履き方と真逆になります。
・お子様の場合、気づかないうちに砂などがつま先にたくさん溜まってしまい、実際のサイズよりも靴の内寸が小さくキツくなってしまっていることがありますので、定期的に靴の内部をチェックしてください。
子どもの足の健康は、単なる歩きやすさだけでなく、集中力や運動への意欲にも深く関わっています。適切な靴を選び、定期的にお子さまの足を観察してあげることは、保護者の方にできる最も重要な健康管理の一つです。ご不安な点があれば、お気軽に整形外科医にご相談ください。

